地に潜む者②

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『まずはてめぇか!ぶっ殺してやる!』 「まぁ落ち着け。頭に血が上ってたら冷静な判断が出来ないぞ?」 相対しているのは土の精霊。そのプレッシャーは凄まじいはずだ。 しかし、優一は冷静な風を装っている。 それがノームの神経を逆撫でた。 『すかしてんじゃねぇぞ!!』 ノームは地面に向かって残っている片腕を振り下ろした。 一拍の間を置いて、打ち付けた部分が盛り上がった。 それはまるで連鎖反応するように伸び、優一に向かって押し寄せる。 土津波。 地術界でそう称される魔法だ。 しかし土津波が優一に届くことはなかった。届く寸前で粉々に粉砕されたのだ。 「なるほど。これがノームのエーテルか」 優一は呟くように言うと、周囲の風を取り払った。 『な!?』 ノームは驚愕した。 たかが人間ごときに攻撃を防がれた。自分は土の精霊。人間ごとぎが遠く及ばない高尚な存在のはず。 それが防がれるなど、あってはならないことだと。 「なに驚いてやがる!」 一喝するように叫ぶと、優一は風を起こしてそれに乗った。 「俺が魔法を吸収することぐらい知ってるだろ!」 勢いをそのままに、ノームの胴体に飛び蹴りをたたき込んだ。 ミシミシと音を立てて足がめり込む。
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