90797人が本棚に入れています
本棚に追加
(とは言ったものの……)
やはり精霊は強い。
たかだか片手を吹き飛ばすだけでかなりエーテルを消費してしまった。
防御に関しても同じ。
土津波もギリギリのエーテルで防いだが、消費量はかなり多い。
やはり人間と精霊の壁は厚かった。
(操たちに頼るのは……)
後方に控えている三人のエーテルは、はっきり言って微弱。言い方は悪いが頼るには心許ない。
まぁ自分が原因でそうなったのだが。
(やっぱり俺が何とか……ん?)
ふと、優一は壁ぎわに水が湧いているのを見つけた。
(湧き水か。……待てよ?)
少し検索をかけてみる。
水のエーテルを地面に浸透させ、湧き水の在処を探る。
(これは……!)
このフロアの真下に、かなりの量の地下水がある。これを利用しない手はない。
(やってみるか)
優一は地面に両手をつくと、そっと目を瞑った。
最初のコメントを投稿しよう!