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『千種駅。千種駅。出口は左側です』 車内アナウンスが流れる。 それと同時に、車体が鈍行から停車へと変わる。 「ねえねえ。早く行こうよ」 「痛っ!足踏むなよ!」 「押さないでー!」 雑踏と共に人々が降りていく。 男もその流れに身を任せる。 目指す場所は皆同じ。 観光客も、この男も。
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