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「あなたには言わなければならない。私はそう思ったの」 言われなくても分かっていた。 彼女が彼に恋をしていることを。 「あいつは一人で何でもしようとする。他人を助ける為なら、自分が傷つくことを厭わない。今回だってそう。勝手に突っ走って、勝手に傷ついて。あいつのあんな顔、私はもう見たくない」 多分、彼女の気持ちに気付いていないのは、彼だけ。 「だから私はあいつを支えてあげたい。傍に居てあいつの拠り所になりたい。……いや、違うわね。私は、あいつの傍に、ずっと居たい」 とても真っすぐな瞳が、自分を見る。 「私は、この想いを……あいつに伝える」 彼女は気付いている。 私の気持ちに気付いている。 だからこうして言ってくれたのだろう。 だったら、それに応えるまで。 「私も、塚越君が好きです」 想いの丈を、すべてぶつける。 「私も塚越君の傍に居たいです。特別になりたいです。私が……初めて好きになった人だから」 他人と接することが苦手だった自分を、ここまで導いてくれたのは彼だ。 人を好きになるということは、一体どういうことかを教えてくれたのも、彼。 飾る必要はない。 ただ自分の気持ちを、素直に言うだけ。 「私も伝えます。塚越君に。この想いを」                
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