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水柱が上がる。
それは勝利を告げる狼煙か、敗北を告げる墓標か。
「また、ですね」
「そうね」
二人の少女がそれを見ていた。
「二人とも、かなり派手にやっているみたいですね」
「えぇ」
見上げるほどにまで高く高く伸びたそれを見つめながら、少女たちは言葉を交わす。
「大丈夫……でしょうか?」
「大丈夫よ。少なくとも、爆発を起こせる程度には生きてるから」
やがてその水は、主の居ない母家に帰還する。
水の精霊は消滅した。
皮肉なことに、その最期を看取ったのは、敵であるはずの二人の少女だった。
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