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次の日もあの男はやって来た。私はママの忠告に従って、男には接触せず、洗い物や調理に専念していた。
「鈴木くん、下の名前は何てんだい?」
文さんにすっかり気に入られた、というよりは酒の肴にされている男は、迷惑そうな顔もせず文さんに笑いかける。
「隼人っていいます」
照れながら、ビールをあおる。
「なんか、自分のこと話すのって照れますね」
一瞬その男、隼人と目があった。 隼人は表情を変えることなく視線を逸らし、文さんとの会話に戻った。
その後、見つめ続けていても視線は合うことはなかった。
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