新たな痛み

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トラは青年の胸の中で気持ちよさそうにノビをしている。 「トラ、かわいいぞおまえ」 青年の横顔があまりにも綺麗だったから見続けていた。すると、照れ笑いを浮かべた青年が私に背を向けた。 「お姉さん、あんまりみないでよ。照れちゃうから… もしよかったら、また会ってほしいな。その… トラと一緒でもいいから」 私は戸惑った。青年が私のことを恋愛の対象としてみているとは思わないが、もしそうだったらもう会わない方がいい。 言葉につまった私は、しばらく沈黙していた。青年は泣きそうな顔で振り返った。
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