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「ほら、誰もいないわよ。さあ、寒いから部屋に入りましょうね…」
そう言ってドアを閉めようとした瞬間、2匹は外へ飛び出して行った。
「待ちなさい! トラ、トラ次郎」
制止の言葉も届かず、2匹は走り去ってしまった。私は慌ててコートを取ると彼らを追い掛けはじめた。
マンションの階段を降りた頃、もう彼らの姿は見えず、私は途方にくれた。急いで家に引き返し、懐中電灯を持ち、マンション周辺を探しはじめた。
「トラ! トラ次郎!」
何度も呼びかけるが、彼らを見つけることができない。
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