闇夜のともしび

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あてもなく探し続けた私は、大通りにやってきていた。 「にゃあ」 トラ次郎が走って来た。私に抱き抱えられたトラ次郎は悪びれもせず、喉をゴロゴロさせている。 「さて、あとはトラね!」 あたりをぐるぐると見回していると、前方からこちらを見つめ続けている人影と視線がぶつかった。 「正…」 愛しい人との再会に、私の目からは大粒の涙が零れ出していた。 「つや子…」 どちらも立ち尽くしたまま、見つめあっている。 正がかけよってくる。もしまだ私を愛してくれているなら、今度は素直になろうと都合のよいことをずっと考えていた。
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