夜から深夜

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――ギャー!!! 俺は、自分の叫び声で目が覚めた。 うっかり眠っていたらしい。 俺の全身から汗が吹き出し心臓は凄い速さで鼓動を打っていた。 思わず腹を押さえてみる…。 ――大丈夫、夢だった…。 ホッとした瞬間、携帯が鳴った…詩織からだ! 『大変 すぐ来て お姉ちゃんのマンションに居る お姉ちゃんが大変なの』 ――里奈が?! 大変なのは俺の方だぜ…でも…里奈…どうしたのかな… とりあえず俺は、里奈のマンションに向かった。 里奈の部屋は、鍵がかかっていなかったので俺はドアを開けて中に入った。 入った途端 生臭い臭いに吐きそうになった。 俺は、こらえながら部屋を進み奥のベッドを見た。 ベッドには血だらけの女が横たわっていた ――里奈!!… ――?…里奈?…違う!里奈じゃなぃ!!…詩織!!なんで お前…!! それは 正解には、かつて詩織だったモノだった。 顔は あちこち腫れ上がり、醜いアザが数えきれないほどあった。 顔も手足も身体中が血に染まっていた。 壁も天井も詩織の血が飛び散っていた。 ――詩織!詩織!… 俺は、何が何だかわからず ただ馬鹿みたいに詩織の名前を呼んでいた。 すぐ横に里奈が居るのに気付いたのはずいぶん経ってからだった。 …里奈…
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