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「美也子~!ほらっ帰るよ?」
友達の浅井由美の声で我に返った。美也子のいつもの癖。
美也子はこの寒い冬の季節の下校時刻間際の夕暮れにいつも見とれてしまうのだ。 何故か美也子の胸を締め付けるような美しさがある。
「そんな窓際で、ぼやっと夕日なんて見てたら風邪ひくよ?」
「ごめんごめん」
美也子は苦笑いして帰る支度を始めた。
…あと3分待ったら、太陽が山に入り、空が茜色に染まって一番綺麗だったのにな…
美也子はそんな事を考えながらしぶしぶと教室を出た。
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