その弐 壬生の英雄たち

8/8
前へ
/71ページ
次へ
芹沢鴨「一体、なんの騒ぎじゃ!」 自慢の鉄扇を握りしめ、部屋に入ってきた。 哀川 龍児「おっ、俺の出番ですね」 芹沢鴨「な、なんじゃ!おぬしら、暗殺か!! じゃが・・・」 芹沢は俺たちを見、にやりとする。 芹沢鴨「儂もナメられたものよの~。 たった三人で挑むとは、笑止千万!」 土方歳三「黙れ!誰がお前ごときに俺が戦うと言ったか。 お前の相手は龍児だ。」 哀川 龍児「そういうことだ、恨むなよ。」 スッと抜刀し、構えを取った。 芹沢鴨「小僧、傲るなよ。 返り討ちにしてやるわ。」 芹沢自慢の居合いを放った。 芹沢自身もこれで終わり、と思っていただろう。 だが、龍児はそれを大刀で受け、左の手から脇差しを抜き、みぞおちを貫いた。 芹沢鴨「な、何故こんな小僧ごときに・・・儂を誰と・・・」 しかし、腐っても鯛。さすがは近藤と肩を並べる男。 意地と気合で立ち上がった。 これには俺を含め、土方も沖田も驚いた。 沖田総司「へえ、やっぱりやりますね~ 土方さんなら危ないんじゃないんですか?笑」 土方歳三「馬鹿言え!しかし・・・龍児。 大丈夫か・・・?」 俺は副長の問いかけに呼応し、構えを正眼から八相に移した。 哀川 龍児「やるな、芹沢先生よ。 そして、認めよう。 この俺が、本気で戦うに値する武士だと言うことを!!」 芹沢鴨「・・・死ね!龍児!!  ウォオオオ!!!」 獅子の如き、猛攻で襲う。 俺はその刹那、眼を見開く。 哀川 龍児「神業独尊流【塵土】」 芹沢の首から下が、消えた。 土方歳三「か、微かに見えたが、その剣筋、見事だ。 」 哀川 龍児「ありがとうございます。 では、屯所に帰りましょうか。」 この時から、龍児は、鬼の副長 土方歳三、天才 沖田総司と親しくなり、新選組の中でも幹部の地位を得た。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加