その参 新選組結成

3/8
前へ
/71ページ
次へ
組の隊列を改めてからさらに三日後、・・・話を持ち掛けてきたのは土方さんからだった。 土方歳三「龍児ィ、頼みがあるんだが。」 歳さんがこう頼むときはロクなことがない。 哀川 龍児「何ですか、副長?」 土方歳三「その呼び方は止めろ・・・お前と俺の仲じゃねえか(笑)」 哀川 龍児「あっ、そうですか。 ・・・で?何の用なんですか、こんな所にまで呼んで。」 そう、歳さんが指定した場所は、街中の甘味処。 そこでいくら私服とは言え、新選組の副長と四番隊組長だ。 かなり目立つ。 土方歳三「気に入らなかったか? 俺の行き着けの場所なんだが・・・ 実は話と言うのはな・・・・・・。」 それは、普通では有り得ない事であった。 哀川 龍児「腕利きの不逞浪士を四番隊に!?」 土方歳三「シッ、声がでかい!!」 哀川 龍児「此所にしたのはアンタでしょうが!! しかし・・・歳さんも無茶しますね。いくら戦争が近いからとは言え。」 そう、もうすぐ大きな戦が始まる。 その為、新選組も人材確保で大忙しだ。 哀川 龍児「で? 誰を入隊させるのかは決まってるんでしょ?」 土方歳三「勘がいいな、実は・・・田中新兵衛と岡田以蔵だ。」 哀川 龍児「エエ~~~!!??」 この時ばかりは、さすがに驚いた。 ――いま聞いた話だと、田中、岡田 両人は、師である武市氏が何者かに暗殺されたがため、自らの思念を棄て、犯人を捜しているらしい。 この噺を逆手に取り、両人を味方に引き込もうと言うのだ。 だが、相手はこの国を代表する人斬りである。 その為、是非とも入隊させ、新選組の中でも隊士の人選が乏しい四番隊に配属させたいのだ。 田中、岡田には話は既につけてあると言う。 だが、少し問題が有り俺が呼びだされたのだ。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加