その四 池田屋事変

3/21
前へ
/71ページ
次へ
丁度、屯所内の道場で岡田以蔵を見つけたので聞いた。 哀川 龍児「おう、頑張ってるなー!」 岡田以蔵「龍児組長、お疲れで。 一つ、手合わせ願います。」 言う止もないに、木刀を渡された。 一応、正眼構えを取り岡田に聞いた。 哀川 龍児「なあ、田中を知らねえか? ちょっと用事あるんだが。」 岡田以蔵「彼奴は大の甘党ですからな、甘味処にでも・・・」 そんな話をしながらの立ち合いだったので、平隊士は皆驚きだ。 ――暫く流れる様な太刀が続いた。 哀川 龍児「・・・フウ、中々やるじゃないか。 だが、まだ力を持ってるだろ?」 岡田以蔵「ハハ、流石ですな。 では、少々本気で。 神道無念流【 瞬 】 」 その瞬間、何かが飛ぶ気配がした。 木刀をその軌道に合わせ、技の応酬をした。 ――神業独尊流【不知火】――  バコーーン!! 切っ先同士がぶつかり合い、岡田の木刀は根から折れ、俺のは手から弾けた。 龍児&岡田「・・・・・・」 永倉新八「――双方、見事だ。 よく精進してるな。」 振り向くと、二番隊組長、永倉新八が俺の木刀を手にたっていた。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加