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「あ…、ごめんなさい…。
俺、知らなくて…。」
「いや、構わない。」
落ち着いた声のまま。
どうやら、怒ってはいないらしい。
「俺…、貴方の役に立ちたいんです。
何か、俺に出来る事…ありませんか?」
どうしても、恩返しがしたい。
俺を助けてくれた、この人に。
「そうだな…。
俺の組織の中で働いてくれれば嬉しいが…。」
「やります!
恩返しの為なら…、何でも。」
この人になら、俺はいつまでだってついて行ける。
心の奥底で、強くそう思っていた。
「…いい子だな。
となると…、名前が必要だ。
…名前は、キラ。
それでいいか?」
「はい!」
俺は力強く答える。
「そうだな、訓練や世話は堕天使猫に任せよう。
キラは堕天使猫に従って動いてくれ。」
…あの方に名前を貰った、あの日。
俺はあの方に忠誠を誓った。
あの方の名前も、顔も知らない。
でも、そんな事はどうでもいい。
俺にとってあの方は命の恩人で、絶対的な存在。
あの方の命令には絶対服従。
この「キラ」の名にかけて…。
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