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俺の言った小さなお礼も、堕天使猫はちゃんと聞いてたらしい。
全く、厄介なヤツ。
俺は部屋を出て、あの方の部屋へと繋がる廊下を歩き出す。
途中、何度か組織の人間とすれ違った。
俺は一応目を合わせ、会釈をする。
でも、相手は返そうとはしない。
それどころか、睨んでくるヤツもいた。
…当然か。
俺がここに来て2年経ったとはいえ、まだ新入り。
そして、子供。
そのくせ、俺は堕天使猫と同じ位の場所にいる。
地位的には、あの方のすぐ下に。
他のヤツ等が羨んで、妬んで当然だ。
…もう俺も、いいかげんあんな対応には慣れたけど。
歩き始めてしばらく経った頃。
やっとあの方の部屋の扉が見えてきた。
俺は扉の前に立ち、深呼吸する。
そして、扉をノックした。
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