不器用少年。

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ああもう、どうしたら気付いてくれるんだ。 「美鶴!」 授業の休み時間。俺の手前、遥か30メートル程先から、とてとて、なんて効果音をつけたくなるような走り方で亘が走ってくる。勢いがつきすぎて止まれなかったようで、転びそうだったのが少し危なっかしい。 「っ、と…へへ、来ちゃった」 「ん、どうしたんだ?」 「特に、って訳じゃないけど…うん、来たかったから!」 満面の笑みを浮かべる亘は破壊力がある。いやありすぎる。軽く目眩を覚えながらも俺は亘と談笑をする。 俺の、愛しいひと。
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