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「―あ、もうこんな時間?…じゃあね美鶴!」
手を振りながら亘はさっきと同様、走っていく。
「…青春してますね」
「そうですね」
「なのに三谷クンは気付いていませんね」
「ですよね」
「…お前ら何処から出てきた、宮原、小村」
「え?芦川が三谷と話し始めてからすぐ」
「…ってか芦川、お前亘と話してる時の顔、キャラ全壊だぜ?女子が見たら泣く」
「というかお前も可哀相だな、気付いてもらえないなんて」
「…何も言うな宮原。小村はとっとと教室に帰れ」
…たった10分の時間でこれほどまでに疲れたコトはない。大きく、深いため息をつくと、自分も教室に引き上げていった。
「―でね美鶴!今日の授業でさー…」
放課後。何時ものように俺は亘と並んで帰る。
「…美鶴?ねえ、美鶴?」
今日の休み時間のニヤニヤ笑いを浮かべながら話す宮原と小村との話がリピート再生されている途中で亘に呼び掛けられ、はたと気付く。
「!あ、ああ…何だ?」
「…どうしたの?さっきからぼーっとしちゃって。…あれ、顔赤い」
熱でもある?と、言うが早いか亘は俺の額に手を伸ばしてきた。
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