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プロローグ~闇夜のドラゴン~
「はぁっ……、はぁっ……」
リュックサックを背負った少年は、闇夜の荒れ果てた街を駆けていた。
リュックサックの中から、角の生えた黒猫が顔を出している。
「まったく……、はぁっ、お前も走れよ!
ちょっと重いぞ!」
「ミャー」
「……ったく」
「まちやがれ!
逃げられると思うな!」
その少年を追うは、トカゲの顔で角が生えた怪物。
人間のような体つきをしているが、明らかに人間ではない。
その怪物は2足歩行で走り、少年を追っている。
「へへっ!
遅い遅い!
そんなんじゃ俺は捕まらないぜ!」
少年は余裕綽々に振り返り、トカゲ男に舌を見せた。
(くくくっ馬鹿め、この先は行き止まりだ)
トカゲ男は気づいていた。
少年が逃げている先は、袋小路になっているということを。
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