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砂漠に近いザルルクと言う街で、貧しいながらも、楽しく暮らしていた。
街のみんなはとても優しかったし、観光客も多く、街は結構栄えていた。
暑いことと、砂漠に近くて、時折風が強い時に、砂が飛んでくる事をのぞけば、文句はなかった。
ずっと平和が続くんだって思ってた。
思ってたのに……。
ある日砂漠の街に、鎧を身にまとい、長剣を腰に下げた、怪物の軍隊がやってきた。
人間の様に2足歩行で歩く、角の生えたトカゲ男の軍隊が、街の人達を、老若男女構わずに、さらっていった。
中には、逃げ切った人達もいたみたいだけど……。
さらわれてから半年。
ろくな食事も与えられず、毎日過酷な労働をさせられた。
毎日、粉塵にまみれながらの作業。
もう、このまま一生こんな生活なのかな……。
考えたら涙が出てきた。
いけない、駄目だ駄目だ。
きっといつか、助けがくる。
それまで希望を捨てちゃいけない。
希望だけが明日を生き抜く力だった。
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