第一章~砂漠の砦とトカゲの軍隊~

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※ 要塞の内部を力なく歩く少女が1人。 ボロボロな、土で汚れたティーシャツに茶色の半ズボン。 腰までだらしなく伸びた金髪。 きちんと手入れがされていないせいで、毛先が絡まり、強くはねている。 本来ならば美しい金色の髪は、粉塵に汚され艶やかさは失われており、少女の瞳は、まるで人形かと思うくらいに生気を失っていた。 「おい!そこのお前!」 トカゲ男が1人の少女を呼び止めた。 「な、なんですか?」 少女は、とかげ男に呼ばれた事に恐怖を感じているのだろう。 急に呼ばれたせいで、体をびくっと震わせたのだが、呼ばれた後も膝が笑っており、体を小刻みに震わせていた。 警戒しながら、話を聞く。 「このゴミを捨ててこい」 そう言うと、袋一杯にゴミが包まれた、ゴミ袋3つを、投げつけられた。 「……分かりました」 逆らったら、どんな酷い仕打ちを受けるか分からない。 少女は仕方なく、トカゲ男の言うことを聞き、袋を肩に背負いながら、たどたどしく、ゴミ捨て場に向かう。 ゴミ捨て場は、要塞の地下にあるだだっ広い洞窟に、ただ捨てるだけの場所だった。 「……臭い」 なるべく鼻で呼吸をしないように、洞窟の上を見ると、砂がさらさらと、少しずつだが降ってきており、下には砂がこんもりと積もっていた。 おそらく、砂漠の砂が、落ちてきているのだろう。 「ふぅ……、疲れた」 ゴミを捨てて、終わりの無い仕事に戻ろうとすると、 “ズズズ……” 急に降ってきている砂の量が増え、かなりの量の砂がいっぺんに降ってきた。 (どうしたんだろう? 天井の穴が広がったのかな?) いぶかしげに、降りしきる砂を横目で見ながら、洞窟を立ち去ろうとした、その時、 “ズドドドド!!” 大きな地響きと共に、何か大きな塊が落ちてきて、砂煙が舞い上がった。
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