第一章~砂漠の砦とトカゲの軍隊~

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「ゲホッ! ゲェッホッ!」 砂の中から、リュックサックを背負い帽子を被り、腰に短剣を下げた少年が姿を現す。 「たっ……、だすかっだ……ゲェッホッ! ゲホッ!」 先程の流砂に沈んでいったイサであった。 大量に砂を飲み込んだらしく、咳払いをしている。 「砂飲んぢまった……」 急いで、リュックサックの中をあさりだす。 「ニャッ!?」 リュックサックから、黒猫をつまみだして、ポイッと放り出した。 「あぁ、あった」 リュックサックの中から、水の入ったペットボトルを取りだし、キャップを空けて、水を口に含み、うがいをしだした。 「ガァ~、ペッ!」 口に含んだ水を、吐き出す。 「ふぅ~……、なんとか生きてるな。 それにしても、めっちゃくせぇ! なんの匂いだ?」 あまりの臭さに、イサは鼻をつまんだ。 「こらっ!! わしを投げるとはどういう事じゃっ!!」 突如、明らかに少年とは別の声が聞こえてきた事に、少女が驚いた。 「あぁ~もう、うっさい! お前が邪魔で水が取れなかったんだから仕方ないだろ!」 少年が黒猫に向かってしゃべりだしたので、少女は困惑していた。 「な、なんじゃっ! その言いぐさは! 痛い目をみんと分からんか?」 そして、驚く事に、黒猫がその少年に向かって、口を聞いていた。 少女は、あまりの事に驚き、声をあげてしまった。 「猫がしゃべってる!?」
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