第一章~砂漠の砦とトカゲの軍隊~

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突然の声に驚き、イサとウーが、少女を凝視する。 「お、何? もしかして、君は、トカゲ怪人に捕まってる人?」 イサがまじまじと食い入るような目で少女に問いかける。 「え? そうだけど……」 少女がそう答えると、 「おぉ! 喜べ! 正義の味方が、助けにきたぜ!」 イサは流砂でたまった砂山からジャンプし、飛び降りながらそう言った。 「わわっ!」 かっこよく着地しようとしたが、失敗して倒れ込んでしまった。 「助けにきた?」 (頼りなさすぎる……。 こんな、私と年も変わらないような少年1人が、あのトカゲの軍隊をなんとか出来るわけがない……) 「あいたたた……。 あっ! 今こいつ頼りないって思っただろ」 ずばり図星をつかれてしまった少女は、慌てて弁解した。 「え? あははっ……。 そんな事ないよ?」 気をつかって、思ってもいない言葉を吐く。 「大丈夫だって! 俺が来たからにはもう安心! トカゲ怪人が百人や千人かかってきても、ばったばったとなぎ倒してやるから!」 自信満々に語りだすイサを見て、少女は困惑の表情を浮かべていた。 (見たところ、身体能力もそれほど、優れているようではないみたいだし……、腰にまいた短剣だけで、何百匹もいるトカゲ男をやっつけるつもりなのかな?) 「失礼だけど、あなた本当に、あのトカゲの軍隊に勝つつもりなの? あなた以外に応援はいないの?」 「あぁ、余裕余裕! 俺1人で大丈夫! あっ! ところで、俺がもし、トカゲの軍隊をやっつける事が出来たら、やっぱり街から報酬とかって、かなり出るかんじかなぁ?」 (すっごい不安だ……)
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