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突然の声に驚き、イサとウーが、少女を凝視する。
「お、何?
もしかして、君は、トカゲ怪人に捕まってる人?」
イサがまじまじと食い入るような目で少女に問いかける。
「え?
そうだけど……」
少女がそう答えると、
「おぉ!
喜べ!
正義の味方が、助けにきたぜ!」
イサは流砂でたまった砂山からジャンプし、飛び降りながらそう言った。
「わわっ!」
かっこよく着地しようとしたが、失敗して倒れ込んでしまった。
「助けにきた?」
(頼りなさすぎる……。
こんな、私と年も変わらないような少年1人が、あのトカゲの軍隊をなんとか出来るわけがない……)
「あいたたた……。
あっ!
今こいつ頼りないって思っただろ」
ずばり図星をつかれてしまった少女は、慌てて弁解した。
「え?
あははっ……。
そんな事ないよ?」
気をつかって、思ってもいない言葉を吐く。
「大丈夫だって!
俺が来たからにはもう安心!
トカゲ怪人が百人や千人かかってきても、ばったばったとなぎ倒してやるから!」
自信満々に語りだすイサを見て、少女は困惑の表情を浮かべていた。
(見たところ、身体能力もそれほど、優れているようではないみたいだし……、腰にまいた短剣だけで、何百匹もいるトカゲ男をやっつけるつもりなのかな?)
「失礼だけど、あなた本当に、あのトカゲの軍隊に勝つつもりなの?
あなた以外に応援はいないの?」
「あぁ、余裕余裕!
俺1人で大丈夫!
あっ!
ところで、俺がもし、トカゲの軍隊をやっつける事が出来たら、やっぱり街から報酬とかって、かなり出るかんじかなぁ?」
(すっごい不安だ……)
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