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太陽の光を浴び砂漠をドラゴンが飛び回る。
「イサ!
そろそろ砦が近い。
ここからは徒歩でいくんじゃ!」
「りょ~か~い」
2本の小さい角の生えた黒猫の問いにドラゴンは答え、砂漠の岩場に降り立つ。
『ビフォアフター』
そう唱えると、ドラゴンは目映い光に包まれ、しばらくすると光は消え去り、少年の姿が現れた。
「あっづぅい~。
はぁ……、砂漠だらけで他になんにもないな。
なぁウー!
本当にここで大丈夫なのか?」
少年に、ウーという名で呼ばれた角黒猫は答える。
「おぬしも聞いたであろう、あのトカゲ達の話を」
「聞いたよ、やつらのアジト、あそこの鉄壁の要塞に秘密の入り口があるってね、聞いたけどさぁ、みつかる気がしないんですけど!
あたり一面砂漠なんですけど!」
少年は、自分から2kmほど離れた、延々と続く砂漠の景色には不釣合いの要塞を指差し、愚痴をこぼす。
2km離れた場所からでもはっきり分かるほど、その建物は高く、岩のカーテンがしっかりとガードしている。
望遠鏡で覗くと、大きな正門の前には、角の生えたトカゲ男が2匹、砦を守る為に立っている。
「全く、あんまり近づくと、また槍が飛んでくるかもしれないから、できればこっそりと侵入したいんだけどなぁ」
前にドラゴンの姿で空から侵入しようとした時に、大勢の角の生えたトカゲの怪物から、槍や大砲などを撃ちこまれ、酷い目にあっていた。
「やつらの話によると、あの要塞の西門から少し離れたところの砂漠の流砂が、要塞の地下に繋がっているらしいのう」
「はぁ……、まぁとりあえず、歩いてその流砂があるかどうか確認するか。うぅ、それにしてもこの暑さ、耐えられないんですけどー!
なんとかしてよ」
「我慢せぃ!
お主は帽子をかぶっておるからよいが、わしなんか全身真っ黒じゃぞ!
熱がこもってしかたがないわ!」
「ど……、どんまい……」
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