さようなら

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人がたくさんいる。 車椅子の人や、 ギブスを巻いてる人。 ナースさんに… ドクター… トミーという人は空いていたと言っていたが、永遠達からしたらそれはもう超満員だ。 三人はその中を速く歩く。 腕に銃による傷があるからか、永遠が人とすれ違うたび、その人はびっくりして永遠を見ていた。 「………」 だけど永遠は動揺せずに、船長についていった。 そんな永遠に、真理和は話し掛ける。 「…永遠…手当てが終わったら…なにたべようか?」 「……え…?」 「当分卵焼きは作れそうにないし…腹減ったし!」 しばらく黙り込んだ後、永遠はやっと口を開いた。 「…おにぎり…食いたいなぁ」 真理和はその言葉に吹き出すと、言った。 「たしかに米恋しいわ!!…俺も食べたい!」 永遠は優しく微笑んだ。 真理和はその優しい表情の永遠に、言った。 「…手術なんてパパッと終わらせるから…まっててな!」 永遠は優しい表情のまま、縦に首を振った。 何回もエレベーターやエスカレーターを使い、たどり着いたのは小さな病室…。 三人はその部屋のドアの前に立った。 そして、船長がそのドアにノックをした。 『予約したリリー・カーズです…失礼します。』 …船長が英語でなにかを伝えると、中から女の人の声がして、その声を確認すると、船長はドアを開けた。 ――ガチャ… .
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