日常

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僕と和一がバカ話を交わしていると、帰り支度を済ませた女の子が話し掛けてきた。 「三年になっても相変わらずだね」 「あ、和樹。また一年よろしく!お、あの子可愛いかも!」 和一は目ざとく新入生を物色し、エモノを定めると嬉しそうに走っていった。 「相変わらず忙しそうだね水野君は」 「あいつのバイタリティに誰か時給払ってやれないかな(笑)」 「前から気になってたんだけど、聞いてもいい?」 真面目な顔で向き直る。 彼女も一年からの付き合いだ。 西野和樹。 男のような名前だが、 大きな目といい 肩口で軽く外側に跳ねた綺麗な髪、 清潔感のある笑顔 背は高くないのにそれを感じさせない、小さくまとまったルックス。 どっから見ても立派な 『美少女』である。 僕はずっと眺めていると照れてしまいそうになるので、質問を促す。 「んで何?」 「浩人は『生きる』ってどういう事だとおもう?」
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