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ーSide松崎楓
場面が突如、変わった。正確には、仲良くしていた彼女が突然、転校することになり、彼女が言った言葉が聞こえない。あの時、なんて言ったのか、憶えてない。
だけど、悲し気に優しく笑ったのだけは憶えてる。そこから、どうしてだろう。彼女との記憶が今の今まで忘れていたんだから、俺は白状者かもしれない。
優しい笑顔は初恋の彼女みたいだった。あの頃、気を張らずにいられた唯一の友人。初恋の彼女が死んでからは、周りが腫れ物を扱うようになったり、近付かなくなった。そんな時でも彼女は、ずっと傍に居てくれた。
彼女が転校する理由が自分の人でなしのグズ親父が原因知ってからは、彼女にどう接すれば良いか判らなかった。
いや、逃げていただけかも知れない。彼女の母親すら毒牙に掛けていた。赦されることではない。
だが、彼女は俺以上に絶望の淵に立たされていたなんて知る由もなかった。
俺は箱庭にいて、ずっと守られていた。
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