2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
夢 ―Boy side―
朝起きると僕は泣いていた。
僕は眠っている間にどんな夢を見たのだろう?
…駄目だ、はっきり思い出せない。
でも、何だか切ない…、心が締め付けられるような……、それでいて心が温かくなる夢だったような気がする。
ふと気が付くと僕はまた泣いていた。
夢を思い出そうとすれば、また涙が溢れた。
そして僕は気付いた。
あぁ…彼女だ。
僕は彼女の夢を見たんだ。
いつも夢に出てくる高校生らしき少女。
いつも元気に華やかに笑う彼女の夢を見たんだ。
いつも夢の内容ははっきり覚えてないが、彼女の笑顔だけははっきり覚えている。
もうずっと幼い頃から彼女の夢を見ているんだ、忘れるはずがない。
彼女の夢を見た後はいつも必ずと言っていいほど泣いていた。
僕はいつの間にか夢の中の彼女に恋心に近い感情を抱き、夢の中の彼女の年齢に近づくのをずっと待ち望んでいたような気がする。
そして今日…やっと彼女に追いついた、高校生になったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!