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しかし、振り返り紗羅叉の言葉の殺気に押され少女は手を離した。
「な、なに・・・よ」
紗羅叉は離された肩を片手で押さえ、呆れた目で少女を見た。
「いいえ・・・なんでもないですよ。ではあたしはこれで帰らせてもらいます」
ニコッと笑う紗羅叉
だが彼女の内心は呆れていた。
「そうそう・・・・最近物騒ですからね・・・暗くならないうちに帰った方が良いですよ?ね、先輩方?」
と言葉を残しその場を去った。
・・・馬鹿馬鹿しい、という言葉しか出ない・・・。
そう思いながら
学校を出て街中を歩き
家に帰った。
真っ暗な家に
ドアをガチャッと開けた。
ただいまなんか言っても返事なんか返ってこない。
当たり前だけど・・・
リビングの明かりを付けて写真の中にいる両親に言う。
「ただいま・・・」
そう言い残すと自分の部屋へ足を運んだ。
部屋に入るとベットに寝転がり
「・・・憂鬱、なにもかも憂鬱・・・」
そう呟きながら天井を見あげていた。
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