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「ふぁ~。これでやっと、冬休み突入だぁ」 机に頬杖をついていたディランは、大きなあくびをした。 生徒達が帰りの準備を始めだしたところで、二人の男が声をかけてきた。 「おい、ディラン! 成績見せてみろよ」 坊主で、目が細い方が裕介。金髪で、かっこいい顔の方が洋平。二人共、ディランの親友だ。 「ほれ」 ディランは白い紙を、ポイと投げた。 「うわぁ! なんだこれ? すっげぇな、お前!」 紙を見た裕介が、大袈裟に驚く。遅れて見た洋平も、同じように驚く。 「お前、相変わらずすっげぇな。おい、みんな見てみろよ!」 洋平の声に反応した生徒達が、ぞろぞろと群がってきた。 「うわー! すっごい」 「どうやったら、こんなふうになるんだよ」 生徒達はディランの通知表を見て、絶叫した。 それもそうだ。ディラン、裕介、洋平の三人は学校一の悪そう軍団。 万引き、無免許バイク、他校とのトラブルは日課。警察にお世話になった回数はもう、数え切れない程だ。
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