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しかし、この三人。意外にも、悪いのはプライベートだけで、学校の中では一つも問題を起こさず、真面目に授業に取り組んでいる。 三人の絶対目標は、『授業中は静かにする』である。 これはディランが考えたもので、三人ともこの目標を、きちんと守っている。 そもそも、ディランは元々頭がよく、成績はなんとトップクラス。他の二人も、授業を真面目に取り組んでいるためか、平均以上の成績だ。 プライベートでは怖いものなしの、悪そう軍団。学校では成績優秀、優等生。なんとも、珍しい三人組なのだ。 「おい、ディラン。帰るぞー」 洋平と裕介がドアの前で、生徒達に囲まれているディランに言った。 「おいおい、待てよ。まだ、帰る準備してねぇって」 今日で学校が終わり、明日から冬休みに突入する。普通、中学三年生の後半といったら、受験勉強真っ只中。冬休みは、必死こいて勉強をする、チャンスの時だ。 しかし、この三人の頭の中に、勉強という単語は、もう存在してなかった。
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