15.

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  ギュッとオレを抱きしめる男の腕に力がはいり、さらに強い力で抱きしめられる。   「よかった」   耳元で男がつぶやく。 すこしくすぐったくて、身をよじる。   「貴方の世界に私はおりますか?私と同じ容姿の者が」   「え?…はい」   世界? 同じ容姿とはたぶん、裕のことだろうと思い、答える。   「よかった」   男の顔から一筋の涙が流れた。 その涙はさっきまでの悲しみによる涙ではなく、喜びによる涙。   「幸せになってください」   男がそうつぶやいた。   ふと、さっき男がいっていた言葉を思い出す。
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