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渋澤「…伊南川勝さんの父親の伊南川利則さんは、レジャー施設・妃鳳園のオーナーだった…」
草川「…しかし、経営が傾き、とうとう差し押さえされてしまった…」
渋澤「…利則さんは、長年やってきたレジャー施設を壊されるのが許せなかった…そこで…」
草川「…嘘の"心霊現象"を起こして、建物を壊しに来た業者の人間を追い返そうとしたんだ…」
南条「え…?そうなの??」
南条は意外な理由に、前のめりになった。
渋澤「…心霊現象を起こしたが、業者の人間は脅くだけで立ち去らず、建物は壊されてしまった…」
国本「…そこで、一旦"心霊現象"は止まったんでしたよね?」
草川「あぁ…では、何故その止まった"心霊現象"が最近になって、また起こり始めたのか…」
早坂「…そうか!ザ・エラーが現れたからだな!!」
渋澤「そうだ…ザ・エラーがココを根城にしようとうろつき始めたから利則さんは再び"心霊現象"を演出して追い出そうとしたんだよ…まぁ、効果は無かったみたいだがな…」
クリスティ
「なるほど、そういうことね…Fatherのそんな危険な行為を止めさせるために、私達に依頼したのね…」
伊南川「はい…私が言っても、聞いてくれないので…」
ダニエル
「それじゃあ…小屋に電気が通ってたのも、利則さんが使っていたからか…」
ダニエルの言葉に、渋澤・草川は頷いた。
枕元「…でも、それやったらコレはどう説明すんねん?…今も使っとる小屋のトイレのドアが調子悪うて開かんままになってんのはおかしいんとちゃうか??」
枕元が先程開かなかったトイレのドアを指差した。
草川「いや…そこが開かないのは、ドアの調子が悪いからじゃないぞ…」
枕元「…はぁ?!…じゃあ、何で開かへんねん??」
渋澤「…内側から鍵が掛かっているからだよ…」
枕元「う…内側から鍵て…そんなもん中に人おらんな不可能…って、まさか…」
枕元はそこまで言うと、目を見開いて驚いた。
その時…!
ガチャッ…
皆「……?!」
トイレのドアの鍵が外される音が響くと…
キィーーッ…
…ゆっくりとドアが開かれ、中から1人の男性が出てきた。
伊南川「…親父ッ!!」
…その男性は、勝の父親で妃鳳園の元オーナーの利則であった。
伊南川「親父…心配したんだぞ…あんなバケモン追い出そうなんて…」
伊南川は、父親の両肩を掴んで言った。
利則「…心配かけてすまんかったな…勝…」
利則は涙ぐみながら返すと、ゆっくりと頭を下げた。
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