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《?》
………
真っ暗な空間の中で、誰かが満月を眺めている…
ヘル・キング・ダーク
「……」
…ヘル・キング・ダークだ。
ヘル・キング・ダーク
「…もう少しだ…あともう少し…」
ヘル・キング・ダークの声は、いつにも増して低く恐ろしい。
ヘル・キング・ダーク
「……」
…その時、"地球"に向かって一筋の光が伸びていくのが見えた。
ヘル・キング・ダーク
「…そして、また…1つ…」
ヘル・キング・ダークは小さくそう呟くと、"地球"に背を向けて歩き始めた。
ヘル・キング・ダーク
「…フッ…」
【翌日】
《新佐古探偵事務所》
一夜明けて、渋澤以外のメンバーが全員テーブルについていた。
調造「…渋澤くんは、昨日少し無理をし過ぎたようだな…」
美坂「あの傷だらけの体でしたからね…」
調造「…まぁ、渋澤くんは自室で大事をとるとして…」
調造は、渋澤の部屋の方を少し見て言った。
ダニエル
「…新しい依頼ですか?」
調造「あぁ…今朝届いたんだよ!こんなに沢山の依頼がな!」
ダニエルの問いに調造は嬉しそうに答え、大量の依頼書類をテーブルに広げた。
早坂「おぉ!今朝だけでこんなにも届いたのか~…ん?何々?…"突然彼女が家を飛び出してしまいました…自分にどんな落ち度があったか調べて下さい"…?」
早坂は適当に手に取った1枚の依頼書類を読むと、眉間にシワを寄せた。
早坂「何だこりゃ??…こんなこと、探偵に頼むことじゃねぇだろ…」
国本「…見てください…"いきなり彼女にフラれました…原因究明直ちにお願いします!"って…こっちの依頼も似たような内容ですよ…」
国本が2枚目を読み上げると、草川が静かに口を開いた。
草川「…ざっと見たところ…全部、"彼女にフラれたから原因を調べてくれ"という内容のようですよ…」
クリスティ
「ふざけた依頼かと思ったけど…これだけの数が一度に来たんなら…何か怪しい臭いがするわね…」
クリスティは顎に手を当てて、言った。
枕元「怪しいて、もしかして…異星人の仕業っちゅうことか?」
クリスティ
「ええ…もしかしたらだけどね…」
調造「いや…もしかしたらじゃないぞ…"第六感"によると、これは異星人の仕業だ…」
調造は、断言した。
国本「…でも、どうして付き合っている人達を引き離すようなことをするんでしょう…?」
国本はそう言って、南条の方を見つめた。
南条「大丈夫よ、国本くん…私はどこにも行かないから♪」
国本「ゆ、優香里さ~ん…」
南条の笑顔に、国本は安堵の表情を浮かべた。
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