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美坂「…じゃあ、みんな依頼解決頑張ってね!…私はちょっと買い出しに行ってくるから!」
美坂はそう言うと、メモと財布片手に立ち上がった。
皆「行ってらっしゃ~い…」
南条・クリスティ
「気をつけてね~♪」
美坂「は~い…」
ガチャッ!
美坂は背中で返事をすると、探偵事務所を出ていった。
早坂「今日の晩御飯…何だろうな…?」
自分の秘書を見送った早坂は、晩御飯の献立が気になって仕方が無かった。
国本「…いやぁ~、やっぱり今日はカツ丼でしょ~!」
早坂「バカ!カツ丼なわけねぇだろ…今日は、肉じゃがだよ!肉じゃが!」
国本「ど…どうしてそう思うんですか??」
早坂「…肉じゃがは、俺の大好物だからだよ!!」
国本「何ですかそれ…こういう大量の依頼が来た時は、勝利を願って"カツ丼"!…これが探偵の掟なんですよ!」
早坂「何ィ~??探偵の掟だとォ??…そんなの人によるだろうがァ~!!」
国本「何ですって~!!」
早坂・国本
「このこのォ~!このこのこのこのォ~!」
…しょうもないことで、早坂・国本は取っ組み合いを始めた。
南条「フゥー…何を理由に取っ組み合ってんだか…カッコ悪い…」
そんな2人を見た南条は、呆れて肩をすくめていた。
【30分後】
《スーパーモリタ》
ウィーーン……
店員「またお越し下さ~い…」
美坂「ふぅ…いっぱい買っちゃったなぁ~…」
買い物を終えた美坂が、スーパーから出てきた。
美坂「今日はご馳走よォ~ッ!!」
上機嫌な美坂は、見知らぬ男が近づいてくるのに気付いた。
「お嬢さん…」
美坂「…は…はい?」
綺麗なスーツを纏(まと)ってハットを被ったその男は、美坂に話しかけてきた。
「…あなたは美しい…私のものになりなさい…」
美坂「…え?」
気味の悪い言葉を発した男はハットを脱ぐと、素顔を晒(さら)した。
美坂「…あ…」
素顔の男と目が合った瞬間、何故か美坂は警戒心を解いてしまった。
美坂「か…かっこいい…」
美坂はうっとりとした表情でそう呟いた。
「…では、行きましょうか…私の城へ…」
美坂「はい…」
美坂は差し伸べられた手を握ると、男と共に歩き始めた…
バサッ…!
…マイエコバッグを落としたことにも気付かずに…。
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