14---あたらしいなかま

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  そう微笑んで言われると断りづらい。 「うん。あ、でも、『君』とかつけられるのはちょっと苦手……かな」 「そっか。じゃあ何がいいかな……日向、ひなた、ひな……」 こつこつ、と机を指で叩いている。癖なのだろうか、逆の手で爪を少し噛んでいる。思いついたのか、その指を口から離し、俺のほうを見た。 「ひな! ひなって呼んでいい?」 その名前で呼ばれ、どきりとした。俺のことをそう呼ぶ人は、もう近くにいないと自分に何度も言い聞かせてきたからだ。 「……なんかひよこっぽいね。でも可愛い。それでいいよ」 平然を装って、俺は彼に頷いた。そう、『あの人』のことは今はまだ思い出したくは無い。必死で脳裏からそのことを引きはがし、彼に逆に問いかけた。 「じゃ、俺もあだ名つけさせてよ」
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