15---仁義と任侠

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  栗色の毛が校舎に入って見えなくなった途端、基が教室の入り口に駆け出した。 どうやら出迎えをするつもりらしい。扉からたまに顔を出して、ちらちらと外を眺めている。 「基と……恭さんは、どういう関係? 同じ中学って言ってたっけ」 「恭とあたし、中学の二、三年が同じクラスやってね、んで、恭は三年のとき生徒会副会長やってたから向いてると思ってん」 答える声が少し弾んでいる。相当信頼しているのだろう。俺と太陽の関係に似たようなものだろうか。 廊下の角から、さっきの栗色が見えた。それを見た基の顔は、とても楽しそうだった。
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