15---仁義と任侠

6/20
前へ
/216ページ
次へ
  次々と言葉を発する基を無視して、座席表を確認し、彼女は席についた。 ついでに時間割表も確認してきたのか、机の上に一時間目の授業の用意をし始める。 黒いトートバッグから、白地に青系色の雫柄をしたペンケースが出てきた。 「あれ……それ、基もおんなじようなの使ってなかった? 黄色のやつ」 「これな、恭が作ってくれてん。お揃いなんやでなっ。まだ使ってるんや」 「別に……新しく買い換えるのが面倒なだけよ」 少し顔を背けて、恭は呟いた。恥ずかしいのだろうか? きっと彼女も基が大好きなのだろう。そんな気がした。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4534人が本棚に入れています
本棚に追加