01---卒業前夜

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  対して太陽の身長は一八八センチメートル、体重……は知らないけれど、いい体つきをしている。 それでもって柄が悪いし態度も大きいから、人とぶつかったりなんてしたら、すぐ喧嘩に発展する。 必然的にいつも太陽と連んでいる俺は、それに巻き込まれることになるのだ。ああ、可哀相な俺。 「俺、最初かなり舐めてかかったもん」 「ああ……俺と太陽がぶつかった時ね」 それは中学の入学式の日のこと。式の為に体育館に行く途中で、太陽と軽く肩が触れたのだ。 睨んだら殴りかかってきたから、不本意ながら相手をした。大体俺、喧嘩は好きじゃないんだよね。自分の手痛めるの嫌だし。 胸ぐらを掴まれて謝れと言われたのが、ほんの二年ちょっと前のことなのに、かなり昔の事のように思えた。
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