01---卒業前夜

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  「明日で卒業。俺と日向も離ればなれ……かぁ」 「なんだよ、殊勝な声出して」 「……しゅしょーって?」 そんなバカだから離ればなれになったんだろうが。そう言い掛けたけれど、これを言ったら本当に落ち込まれるから止めておいた。 同じ公立高校を受けたけれど、太陽は落ちてしまった。仕方なく滑り止めで受かった私立高校に通うらしい。 まぁ、どちらの高校もお互いの家から凄く近いので通学は一緒に出来るだろう。 「たいよう」 「ん?」 「放課後は会いに来いよ?」 「……俺が行かなきゃなんないのか」 当然。そう言って、俺はにいっと笑った。お前の高校の奴にまで顔覚えられてたまるか。絶対に顔と身長で馬鹿にされる。
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