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「日向は高校入ったらケンカしないんだっけ?」
「おう。この顔だ、じっとしてたら絡まれることはまず無いはず」
自分の頬を手の平で触る。そう、この顔で生まれて良かったと思える唯一のメリットがそれだ。
「うーん……俺も多少は落ち着こうかな」
「はは、太陽にケンカすんなって言う方が無理だろ」
太陽、根っからそういうこと好きな生き物だもんな。そう言って笑ったら、太陽は照れたのか申し訳無いのか、どちらともとれない複雑な顔をした。
「まぁ……太陽が負けそうな時だけ覆面でも被って加勢してやるよ」
「おー、頼もしい!」
ぱちぱちと手を叩いてから、俺の肩にがっと腕をかけた。俺よりもかなり太くて、いかにも力強い腕だ。
「ただし覆面はお前が買ってこい」
「やだよ! 恥ずかしいし!」
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