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学校からの帰り道にある、このゲームセンターは、彼らの絶好の遊び場だった。
こうして学校帰りにゲームセンターによるのは、日常茶飯事だ。
こういうシューティングゲームが上手ければ、あまりお金を使わず遊べるので、毎日だってよれるのである。
さすがに毎日は通っていないが。
「きっとんは本当~にシューティングは得意だよね!」
奇斗の後ろから小柄な少年が飛び付く。
「っ!祐樹(ユキ)!人の背中にのんなっ!重っ…、くはないけど。ちっこいから」
「…え?なんか余計なこと言った?」
祐樹と呼ばれた少年は、小柄だ。一見すると小学生にも見える。周りからは可愛いと言われ、よく女の子に間違われるが、男、である。
「うふふっ。二人とも相変わらず仲いいね」
先ほど希斗に、拍手をむけてた少女が笑う。
「由梨、待て。これは、仲いいっつうか、ちとうっとうしい部類に入る」
「うっわ何その嫌そうな台詞!いーよぉ、俺はゆりゆりと仲良しなんだから♪」
祐樹は、希斗をきっとん。由梨をゆりゆりとあだ名で呼ぶ。本人の了承なしに勝手に呼びやすく呼んでいる。
「由梨、相手にしなくていぃからな~」
そう言われた少女、由梨は、相変わらず笑っていた。
━━━が、
表情が急変した。
それに気付いた希斗が
「どうした?」
「…あ…希斗、くん…」
そう言いつつ由梨は、指をさす。
ゲーム画面へ。
そこには…
『GAME OVER』
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