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「「あああぁ!!」」
希斗と祐樹が叫ぶ。
希斗は、祐樹に気をとられ、すっかりゲームのことを忘れていた。
「祐樹お前のせいだぞ!」
「え~きっとん大人気ない!オレのせいにする気!?ゲームのこと忘れてたきっとんが悪い!」
「ま…まぁまぁ」
由梨が間に入りなだめる。これが二人のいつもの光景。見馴れた光景だ。
と、そこへ
「あ、青(セイ)くん」
青と呼ばれた少年が歩いてきた。気付いた由梨が、彼の名前を呼ぶ。
一同の視線が青に注がれた。
学ラン…の上にタスキをかけ、無言で立っている。
「……」
「セイ…、どうしたのそのタスキ…?」
「………貰った」
青は比較的口数が少ない。
「なになに…格闘ゲーム優勝…え!?」
それは、この小さなゲームセンターでヒッソリ行われていた。格闘ゲーム大会の優勝のタスキだった。
「すごいね青くん!」
「すげーっな青」
「さっすがセイ!」
3人に誉められて青はちょっぴり赤くなった。嬉しいようだ。
「青が優勝とったし、きっとんのシューティングはまた明日ってことで!今日は遅いし、もう帰ろうよ!」
祐樹が、帰る提案をする。
四人は幼馴染みだ。
小さい頃から一緒で、家も近い。![image=121071322.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/121071322.jpg?width=800&format=jpg)
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