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雲一つない空、果てしなく続く鮮やかな蒼色は、人の心を洗うようだ。
ほとんどの生徒は、心地よい風と日光を浴びながら、ハゲの英語の教師の話でもして盛り上がるのだろう。
しかも今は昼休み、きっと屋上辺りは人の群れで、賑わっていることだろう。
だが、物騒な顔で箸を突く少年、『獅子島 刀箭(シシジマ トウヤ)』の昼休みは違う。
全く掛け離れている。と、言った方がいいか。
刀箭は、何故かこんなに良い天気なのに室内に篭り、尚かつ食う場所は、妙にジメジメした生物室。
それだけで充分食欲が無くなるわけだが、棚に置かれている瓶詰めの動植物を、見ると効果は倍にまで跳ね上がる(慣れたから平気だが)
ぶっちゃけた話、刀箭は外で食いたい。
日光を思い切り浴びながら、登頂部が荒野と化している教師を、嘲笑いながら弁当を食べたいのだ。
が、・・・
しかしそれを刀箭はしない。否、できないのだ。
理由は、一緒に昼食を摂るメンバーにあった。
刀箭は、その元凶達へと憎悪を込めた視線を向けた。
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