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朝。僕と宮神山賭は昨日の死体を埋めた穴の、血塗れの服で雨でまだ乾いてもいない土の上で寝ていた。
なんて非常識。なんて卑劣。
なんて背中の痛い朝。
いつもは愛車の中のソファーで寝ているけど、・・・あの硬さと変わりは余り無いか。
明朝。朝日が眩しい。
今日は晴れか。まだ温かくて眠たい。けど夢見が非常に悪かった。だから起きた。
温もりが服を通して素肌に感じる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
温かい?温もり?はて?毛布は無かったはず車の中だ。
ぎゅう。
苦しい・・・一体今日はなんだ――・・・。横を見ると宮神山賭に抱き枕代わりに僕は抱き締められていた。
ぎゅう。
「ん~亜、あったけ~」
すりすり。
「キモい」
―ズゴっ
近くのスコップを手に取り、宮神山賭の顔面へ鉄の先の方で刺した。
「ぎゃあああああああぁあぁぁあ!!」
「離せ。この変態」
のたうち回る宮神山賭から解放された僕は時間を“確認”する。
4時34分。マジ明朝。さて。
「着替えて読書しよ」
良い読書日和、群青日和♪
この3日、こいつと出会ってろくにまともな読書をしてないし、いつもと少しスケジュールが変わってしまった。あー服がどろどろ。気持ち悪。
「最悪」
「待てぃ!!・・・亜~~!最悪なのはお前だ!!!痛いよマジ!!先はないでしょ!!血塗れの顔になってないのが不思議!痣はできただろうけど!何か“お友達”俺にの言うことは?!」
「消えろ。」
「マジすか?!!すんませんでしたあ!!」
“友達になってよ”
宮神山賭の昨日の言葉。
は、即刻断った。なのに宮神山賭はもう自分の中では僕は“友達”のようだ。
なんて強引。
なんて自己中。
なんてあったかい。
・・・今のは訂正しよう。なんだ、あったかいって。
キモいの間違いだ。
お腹は“まだ”今日も減らない。
・・・・・・良いことだ。
とても、それは、良いことだ。良いこと。
―――・・・なんてこの3日それだけか。
「うへぇ・・・どろどろ。まあ、いいっか♪着替えあるし」
あるのか、着替え。
とりあえず。
「今日も今日とて、僕は読書だ」
「俺は朝飯の準備♪亜、今度こそ俺の味噌汁飲めよな」
宮神山賭の墓作りバイト代。
――・・・僕は3日間の同居を許したのだった。
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