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さあ、賭けをしようか。
信じるか、
信じないか。
賭ける物はそうだな、
命を賭けよう。
「こっち見ないでねっ!!」
「分かったってば」
「とか言って車のまどから私の胸、見てるんでしょっ!ムッツリスケベ!今私上半身、裸なんだからねっ!」
「・・・・・・」
「あっ!黙ったわね!やっぱり私の柔肌のことその窓から見て・・・・・・」
「撃ち殺すぞ。宮神山賭。さっきから誤解を招くような甲高い声で、しかも女口調でしゃべるな」
「だって暇なんだもん♪撃ち殺すぞとかこわ~い。賭ぅ、超ある意味ドッキドキ☆」
「・・・・・・そうか。ナイフがいいか」
「マジすか。すんません」
愛車を隔てて反対側でお互いどろどろの服を着替える。
「亜~。もういいかい♪」
隔てたのはこの僕だ。別に膨らみのある胸があるわけじゃない、つまり女ってわけじゃないけど。
理由はない。ない。嘘だけど。
バサッ。
「・・・いいよ」
宮神山賭に答える。
「・・・わぉ、なんだその格好。キングダムハーツ、Ⅷ機関?」
「・・・なんだよ、それ」
こいつもよく『I AM FREE!』なんてまた書かれた違う柄の服持ってんな。
「知らねーの?この本ヲタク。何だその黒いマント」
フードに獣のような牙の銀のアクセサリーに口まで覆い被さる長いマント。
真っ黒なマント。
真っ暗なマント。
「久しぶりに愛車で御出掛けだ。“それ用”の特別な装束だ。
君も来るかい?ちょっとした地獄のドライブに」
なあ宮神山賭。君の肝を試しに行こう。
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