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――・・・チャラン
「だからはめられたんだよ。カードシャツフルとか言ってきってた瞬間までは確かに52枚だったんだ。」
――チャラン。
「・・・・・・」
「僕が一瞬気を抜いた瞬間ジョーカーを僕が引く順番に入れたんだ」
――チャラン。
「・・・・・・」
「僕は油断したって訳さ。じゃなきゃ、こんな状況・・・」
――チャラン。
「・・・・・・」
「有り得ない」
――チャラン。
首に首輪。足と手に鎖に繋がれ僕と宮神山賭は檻の中にいた。
負けた証拠。敗けた称号。
僕は狗になってしまった。
ついに、そして、とうとう、何故?
「聴いてるのか?宮神山賭」
ポカーンと僕の隣で呆けている。
そりゃそうだ。担保に君も入れて、君はそれに同意したのだから。
「・・・あーーーーーー!!!!!!!!!!!」
「・・・大声で叫ばないでよ。何?呼んだ?」
「呼んでません!!ただ叫んだだけですぅ!!あーーー!!!賭けるんじゃなかった!賭、失敗☆・・・じゃねーー!!!!何この湿気、何この鎖に首輪!!重てぇええぇーー!!壁に繋がれ賭超ピンチ!!・・・んなこの展開嫌ああああぁぁああぁあ!!」
―ゴツン。
足の鎖に繋がれている重りを宮神山賭の腹を蹴る。
「ぐほっ!」
「ちょっと黙ってよ。宮神山賭」
「な、名前ぇ・・・ぐすん」
「仕方ないよ、宮神山賭。君も、僕も賭けに負けたんだから。そう、敗け」
――チャラン。
「・・・・・・何キロあると思う?この鉄の素敵なセット。“君のは”50キロで済んでそうだ。」
「・・・?亜のは違うのか?」
「うん。首に鉛の首輪50キロ。片手ずつ100キロ。つまり両手で200キロ。片足250キロ。もう解るね。両足で500キロだ。計、750キロだ」
「うげっ!どうりで腹がジンジンと・・・。ってんなの足付けてよく動かせるな。てかさ、亜って何か数字的確だよな。時間とか、今の重さとか?」
「絶対音楽感覚と同じさ。僕は自分で時間は勿論、重さ、長さなどは実は見ただけで分かる」
「なんだそれ。やう゛ぁい」
「さて、始めマスか」
「何を??」
普通分かるだろう。
「王道さ。ルパン三世を読んだ方が良い。おすすめするよ。僕は気ままに本を読んで暮らしたいんだ、生きたいんだ。こんな檻の中に一生なんてゴメンだよ。
君は逃げないのかい?
逃げるよ。僕は。
策は無いけど知恵はあるからね。
君はどうする?」
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