道化師の遊び

7/11
前へ
/83ページ
次へ
――・・・チャラン 「だからはめられたんだよ。カードシャツフルとか言ってきってた瞬間までは確かに52枚だったんだ。」 ――チャラン。 「・・・・・・」 「僕が一瞬気を抜いた瞬間ジョーカーを僕が引く順番に入れたんだ」 ――チャラン。 「・・・・・・」 「僕は油断したって訳さ。じゃなきゃ、こんな状況・・・」 ――チャラン。 「・・・・・・」 「有り得ない」 ――チャラン。 首に首輪。足と手に鎖に繋がれ僕と宮神山賭は檻の中にいた。 負けた証拠。敗けた称号。 僕は狗になってしまった。 ついに、そして、とうとう、何故? 「聴いてるのか?宮神山賭」 ポカーンと僕の隣で呆けている。 そりゃそうだ。担保に君も入れて、君はそれに同意したのだから。 「・・・あーーーーーー!!!!!!!!!!!」 「・・・大声で叫ばないでよ。何?呼んだ?」 「呼んでません!!ただ叫んだだけですぅ!!あーーー!!!賭けるんじゃなかった!賭、失敗☆・・・じゃねーー!!!!何この湿気、何この鎖に首輪!!重てぇええぇーー!!壁に繋がれ賭超ピンチ!!・・・んなこの展開嫌ああああぁぁああぁあ!!」 ―ゴツン。 足の鎖に繋がれている重りを宮神山賭の腹を蹴る。 「ぐほっ!」 「ちょっと黙ってよ。宮神山賭」 「な、名前ぇ・・・ぐすん」 「仕方ないよ、宮神山賭。君も、僕も賭けに負けたんだから。そう、敗け」 ――チャラン。 「・・・・・・何キロあると思う?この鉄の素敵なセット。“君のは”50キロで済んでそうだ。」 「・・・?亜のは違うのか?」 「うん。首に鉛の首輪50キロ。片手ずつ100キロ。つまり両手で200キロ。片足250キロ。もう解るね。両足で500キロだ。計、750キロだ」 「うげっ!どうりで腹がジンジンと・・・。ってんなの足付けてよく動かせるな。てかさ、亜って何か数字的確だよな。時間とか、今の重さとか?」 「絶対音楽感覚と同じさ。僕は自分で時間は勿論、重さ、長さなどは実は見ただけで分かる」 「なんだそれ。やう゛ぁい」 「さて、始めマスか」 「何を??」 普通分かるだろう。 「王道さ。ルパン三世を読んだ方が良い。おすすめするよ。僕は気ままに本を読んで暮らしたいんだ、生きたいんだ。こんな檻の中に一生なんてゴメンだよ。 君は逃げないのかい? 逃げるよ。僕は。 策は無いけど知恵はあるからね。 君はどうする?」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

138人が本棚に入れています
本棚に追加