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ガンガンと、足の重りがちゃちな鉄の階段に響く―――・・・
牢屋は地下五階といったところか。入り口の階段といい、ここのファミリーは土竜か。
「おぉ~もぉ~いぃぃぃい~~~!うおお~足が鉛のようだ~~!」
十分前まで自分が先に上っていた宮神山賭はもう息が上がって、僕のだいぶ下にいた。
「・・・鉛のようだって・・・本当に鉛抱えてるだろ。それにそんな声が出るならまだ後五階くらい平気だろ?」
「はいぃ?!あど、ごがい?!あ゛りえ゛ねぇえぇえ!!てことは、ここ地下10階構成?!土竜か!!」
「・・・僕もそう思ったよ・・・っ!」
しかし何故だ。何故?何故、人がいない。見張りのやつも居なかった。おかしい。
「そういえば亜~!」
「・・・何だよ宮神山賭」
「俺考えてたんだけど・・・その“クラウン・ゲーム”ってやつ、聞いたところ、ホントは亜は引き分けだったんじゃねえの?!あれ、ジョーカーなんてずるだし、マイナスされねえじゃん!!あの嵯峨野博打とか言うジジイが引いたのが当たっても残りの一枚引きゃあ同点じゃん。はあはあ、げほっげほげほ・・・」
「・・・僕はそうしようと勿論したさ。でも、そこがクラウン、道化だったのさ!今までのがね!」
僕は天井の監視カメラに向かって言ってやった。種あかしを。事実を。
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