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何故、監視カメラだけが地下牢からここまであったか。
それは僕たちの行動、つまり脱獄を見るためだけど。
呆気ない。
「これで足止めか・・・？」
呆気ない壊滅。
呆気ないファミリーメンバー。
呆気なくここまで来れた。
それはおかしい。
だって嵯峨野博打は僕が欲しくて欲しくて堪らなかったのだから。だから、おかしい。
こんなに簡単にここまで通すのを許すのはおかしい。
可笑しい。
おかしい。
欲しかった玩具を簡単に放り投げる子供なんていないように、これから使っていく物を失わないように。
それが当たり前の現象。
現実、現状、現時点・・・のはず。
何回も言うが、これはおかしい。
でも、答えは地上にあった。
有った、在った、遭った。
遭ってしまった。
仮面を被ったピエロと。
ピエロを被った悪魔を。
悪魔を被った、殺人鬼を。
嵯峨野博打の横にそいつは立っていた。
存在した。
発生してしまっていた。
まるで、“僕”のように。
僕が“産まれた”理由のように。
彼は、あなたは、あいつは、こいつは。
存在した。
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