138人が本棚に入れています
本棚に追加
6.喰い千切って、吐き捨てて、飲み込んで、噛み殺して。
一瞬が一瞬で一瞬は決まる。
一瞬が命取り。
一瞬が賭け。
一瞬が命の瀬戸際。
ぼ きり!
最初に攻撃を見事に成し遂げたのはピエロだった。
つまりは僕は攻撃を受けたのだ。
両腕が、肩から一気に外された。
「・・・・・・~~っ!」
速かった。
10メートルは離れていた場所からひらりと舞うように、僕の肉眼に飛び込んできたと思った瞬間、折れた。
触られたかも解らない感覚だった。
「・・・っ!くっそ!!」
「~~~亜・・・っ!」
宮神山賭が僕の名前を掠れた声で呼ぶ。
馬鹿が。黙って呼吸して―――・・・
「私のショーに、死相の出ている観客は要りません。頭、踏み砕きましょう」
「ぁ・・・っ」
ずたんと宮神山賭の頭をピエロは踏みつけた。
一瞬で。
一瞬で“賭”が死ぬ!!
「賭!!」
どくんと心臓がはねあがる。
略称、“ヒューマン”、アルファベットA。名、あ行ファースト。
“ヒューマンイーター”亜。
「喰い千切る!!!!」
ガブリ!!!
僕は。
僕は、僕は僕は。
ピエロの足をひざから喰い千切った。
見てはだめだ。
見てはいけない。
見られたく、無かった。
“賭”。
最初のコメントを投稿しよう!