人喰いVS道化師(ピエロ)

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6.喰い千切って、吐き捨てて、飲み込んで、噛み殺して。 一瞬が一瞬で一瞬は決まる。 一瞬が命取り。 一瞬が賭け。 一瞬が命の瀬戸際。 ぼ きり! 最初に攻撃を見事に成し遂げたのはピエロだった。 つまりは僕は攻撃を受けたのだ。 両腕が、肩から一気に外された。 「・・・・・・~~っ!」 速かった。 10メートルは離れていた場所からひらりと舞うように、僕の肉眼に飛び込んできたと思った瞬間、折れた。 触られたかも解らない感覚だった。 「・・・っ!くっそ!!」 「~~~亜・・・っ!」 宮神山賭が僕の名前を掠れた声で呼ぶ。 馬鹿が。黙って呼吸して―――・・・ 「私のショーに、死相の出ている観客は要りません。頭、踏み砕きましょう」 「ぁ・・・っ」 ずたんと宮神山賭の頭をピエロは踏みつけた。 一瞬で。 一瞬で“賭”が死ぬ!! 「賭!!」 どくんと心臓がはねあがる。 略称、“ヒューマン”、アルファベットA。名、あ行ファースト。 “ヒューマンイーター”亜。 「喰い千切る!!!!」 ガブリ!!! 僕は。 僕は、僕は僕は。 ピエロの足をひざから喰い千切った。 見てはだめだ。 見てはいけない。 見られたく、無かった。 “賭”。
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